model validation と model verificationについて述べます.
validation
and verification: 確認と検証 で述べたように,
validateは,「有効であること/妥当であることを認める/確認する/認証する」で,verifyは,「正しいこと/事実であることを,確かめる/実証する/検証する」です.ある基準があり,validateは,この基準自体が有効かを調べることであり,verifyは,あるものがこの基準に合っているかどうかを検証することです.
model: モデル
の項でも書いたように,model 「モデル」は,
今あるもの,システム,現象,あるいは,これから作っていくもの,システムなどの特性を,着目する観点で,抽出したもの,abstractionしたものを意味します.(abstractionは,曖昧ということではありません.)
model validationとは,モデルを構成するassumptions自体が正しいかどうか,assumptionsが,実際の対象と適合しているかどうかです.
これは,モデルと対象が,全て合っていると言うことではありません.モデルのconstructs
「構成要素」とそれらのinterrelationships
「相互関係」が実際の対象を如実に表しているか,抽象化,近似,省略があったとしても,実際の対象を表しているかです.
一方,model verification とは,モデルとその分析結果が,モデルのassumptionsに適合しているかどうか,です.
assumption は,「仮定,想定」ですが,
「仮定」という言葉には,状況や状態が,実際とは異なっているということを若干強調するニュアンスがあります.assumptionは,必ずしもそのニュアンスを持つものではりません.
「想定」の方は,そのようなニュアンスを持たない言葉です.
いずれにしろ,この場合のassumption は,対象となるものを,モデルで調べたいことを,given
parameters,モデル構成,分布などを使って,対象の状況を想定するものです.
model validationは,このassumptions自体が正しいかどうか,assumptionsが,実際の対象と適合しているかどうかです.
assumptionが,対象と乖離していると,即ち,対象との隔たりをが大きいと,モデルで分析結果を得られたとしても,対象の挙動を何ら説明していることにはなりません.
以上は,数式モデルとシミュレーションモデルのどちらにも,適用できます.