情報分野のdisciplineと inter-disciplinary view
2012 年3月27日
disciplineは,「規律,訓練,学問分野,学科」ということですが,これは,ある分野の「固有の原理原則,基本的な原理」のことです.
情報分野のdisciplineについて述べます.情報分野で著名なDijkstaの本に,”A
discipline of programming”というのがありますが,これは,「プログラミングの原理原則」というものです.情報分野のdisciplineには,このプログラミングの他に,コンピュータアーキテクチュア,ソフトウェア,アルゴリズム,データベース,人間機械系のインタフェース,通信ネットワーク,情報システム,知識工学,音声画像認識,また,これらの基礎となる数理的手法などに関する基本的な構成法,組み立て法,分析法があります.
このようなdiscipline原理原則を持っていること,あるいは,持つように成長,修練,訓練されることをwell-disciplinedと言います.情報分野で十分訓練されれば,情報分野のwell-disciplined
engineerです.
情報分野に限らず,どの分野にもdisciplineがあります.
特に情報分野では,この分野の特性上,情報分野のdisciplineを持った上で,ICT技術を様々な分野に適用することが多いのです.このときに,適用する先の分野のdisciplineの理解が必要になります.これが,inter-disciplinary
view 「分野にまたがった原理原則を持ったビュー」ということになります.この意味で,情報分野は複合領域です.例えば,機械に組み込まれたシステムでは,情報と機械の2つのdisciplineが必要です.同様に,- 電気装置に組み込まれたシステムでは,情報と電気の2つのdisciplineが,化学プラントに組み込まれたシステムでは,情報と化学の2つの分野のdisciplineが,医療を対象にすれば情報と医療分野の,福祉を対象とすれば情報と福祉分野の,経営を対象にすれば情報と経営学の, 運輸を対象にすれば情報とロジステイックスの
情報系の仕事では,情報分野のdisciplineを基本にして,自分が活動する分野のdisciplineを修得しながら,inter-disciplinary viewで,進めていくことが多いです.