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ことのはの散策

 

performance: 性能

                                                                                                                           上智大学 伊藤 潔

                                                                                          2006年3月12日


 
functionもperformも「機能する」と言う意味がある.

 functionが「機能する」に対して,performは「うまく機能を遂行する」という意味があ ります.performを「演技する」と訳すときに,「上手に演ずる」という感覚がある.

 コウビルド英英辞典には,performanceは,「何かがいかに首尾良くいっているか,何かがいかに首尾良く行われているか」という意味が書かれてい ます.

 この感じが,performanceを「性能」と訳する感覚が出て きます.機械やコンピュータの場合,正しく機能する(function)ことを前提に,首尾良く,とか,うまくというのが,時間的に,定量的にどの程度首尾良く遂行しているか,という感覚で,performance「性能」です.

 システムの開発段階で,機能(function)面と並行して,要求分析段階で,performance requirements specification「性能要求仕様」が作成され,設計段階で,performance design「性能設計」が行われます.その段階で,performance evaluation「性能評価」されます.実装され,運転が開始されると,performance tuning「性能チューニング」されることがあります.

 システムのperformance metrics 「性能尺度」を以下にまとめます.
 

     
  スループット(throughput;処理率)
 
システムが単位時間当りに処理する量(トランザクション数など)
  CPU稼働率(CPU utilization rate)
 
システムの運転時間に対する,CPUがプログラムを実行している時間割合
  使用率(use rate)
 
稼働率が実行の主体となるものの実行の時間割合を示すことに対して,対象となるものが使用される時間の,システムの運転時間に対する割合
  占有率(occupation rate) 容量をもつものについて,その容量に対する,時々刻々と変化する使用量の時間的な平均
     
  以下には,最大,最小,平均がある  
  ターンアラウンド時間(turnaround time) バッチ処理の場合に,プログラムやデータの投入から結果出力までの時間
  応答時間(response time)
 
対話型処理の場合に,コマンドのキーイン,アイコンクリック,データの入力からそれに対する応答があるまでの時間
  待ち時間 システムによる処理を待っている時間