ことのはの散策

"め"と"み"と"げ"の付く言葉

                                                                                      上智大学　伊藤 潔

                                                                                            2009年9月1日

　日本語の形容詞や動詞に付く接尾辞の，”め”，”み”， ”げ”について書きます． 形容詞の場合，程度を表す”さ”が付く言葉です，”さ”は全てに付きます．

　めは目で，程度や度合を表し，みは，状態を表し，時にはその場所や物を表します． げは気で，様子を表します．

　全てはそのようには言えませんが，め(目）の方は，元々，見る，見た感じ，という感覚で，

　みは，味をあてませんが，どうやら，味わう，味わった感じという感覚です． 現実味という漢字で書くものもあります．

　げ（気）は，何らかの五感で感じたという感覚です．

　この説明は，感覚です．但し，漢字は無理に当てはめなくてよく，”め”，”み”， ”げ”は，本来，和語でしょう．　

　明るめは，明るいとは言い切れないけれど，まあ，明るいでしょうという程度を表しています．明るみは，どのくらい明るいか言えないけれど，明るい状態や明るい場所を表しています． 明るげは，元々は無い言い方ですが，なにやら明るいという様子です．

　これまでは，”め”， ”げ”を付けていなかったものにも，最近は付けているようです．はやりのようです．いわゆる「問題な日本語」なのでしょう．でも，使い方は，これまでの用法とそれほど異なっていません．”め”， ”げ”を用法通り使いこなしているようです．言葉の雅馴（がじゅん）性の問題でしょう．”み”は，そのような例はあまりありません．

　”め”，”み”， ”げ”は，感覚に訴える，とても素敵な日本語の言葉だと思います．だけで，何でも ”げ”を付けてしまうと，ちょっとという感じになってしまいます．

　下記の表で，？が付いているのは，これまでは，付けていなかったものです．特に，最近は， ”げ”は何でも付けているようです．
　

(^oo^)　「なにげに」の「げ」も，そのようだげ