言語力
上智大学 伊藤 潔
2008年3月22日
2007年8月17日付けの読売新聞に,”「言語力」育成、脱「ゆとり」も…中教審が指導要領改定へ
”という記事がありました.この言語力というのは,英語では何というのか適当であろうか,考えてみました.
言語力の力は,「能力」だから,言語力は,言語能力でしょう.「能力」の候補としては,capacity, competence,
abilityが挙げられます.
capacityは,「収容力,潜在的能力,能力」で,元々持っていたものというニュアンスがある言葉です.
competenceやcompetencyも,「能力」です.この言葉には,compete
「互いに励む,競争する」の意味の「競争力」という意味もあります.相対的,いうニュアンスがあります.カタカナで,「コンピテンス」とよく出てきます.
abilityは,中立的な言葉で,able to doの名詞形だから,「能力」に充てるのが,適切だと思います.教育の中で培っていく力ということで,abilityを充てるのがいいと思いました.
ということで,abilityが適切であろうと思いました.それで,いくつか,文献をあたってみました.
{山田雄一郎著:英語力とは何か,大修館書店,2006]という本のpp.99-101に,language ability, ability in language useという用語が示されていました.これが,「言語力,言語能力」です.
language ability | 言語力,言語能力 | ||
ability in language use | 言語力,言語能力 | ||
ability | 能力 | ||
able to do | |||
capacity | 収容力,潜在的能力,能力 | ||
competence | 能力,競争力,コンピテンス | ||
competency | 能力,競争力,コンピテンシ | ||