formal: 「正式な/公式的な」と 「形式的な/定式的な」
2017年11月21日
formal
and formalize: 「形式的な/定式的な」と「形式化する/定式化する」 の項で,論理的で整然とした秩序だっている体系やモデルで,説明できる,あるいは論証できる様を表す「形式的な/定式的な」を述べました.
形式的という日本語には,表面的という意味もありますが,このformal「形式的な,定式的な」に,このニュアンス
は入れません.
formal
language「形式言語」は,日本語や英語のような自然言語でなく,プログラミング言語などの人工言語で
,その言語が理論的な体系やモデルに基づいているため,その言語によって書かれたプログラムの検証ができる言語です.
formal
specification「形式仕様」は,あるformal languageで記述されている仕様です.formal
approachは,「形式的アプローチ」,formal
methodは,「形式的方法」で,それぞれ,あるformal
languageが使われます.formal proof 「形式的証明」という言葉もあります.
formalには,もっと普通の意味として,「正式な/公式的な」 があります.
日常的な言葉ですが,ソフトウェア開発の場面でも次のように使われています.
これは,agile
software development 「アジャイル型ソフトウェア開発」でよく言われていることです.→ software
development process: ソフトウェア開発プロセス
伝統的なwater
fall型のソフトウェア開発では,要求分析,設計,実装のフェーズを順次行ってソフトウェアを開発します.要求分析の際に,要求仕様書
requirements specification という「正式な文書」
formal document を,会議
formal meetingを行って策定します.この要求仕様書は,ソフトウェアの発注者である顧客の承認の下に策定されるもので,正式なもの,公式的なものです.これを基に,次のフェーズである設計に進みます.
アジャイル型ソフトウェア開発では,分析,設計,実装を繰り返し,成果物を確認しながら,piece-wiseにstep-by-stepに,ソフトウェアを作ります.「正式な文書」
formal document を,会議 formal
meetingで策定はせず,開発プロジェクトの中で,不断に,face-to-faceで,informal
communication で作られます.
(^oo^) 「正式な文書」 formal document
は,形だけが整っている形式的なものではありません.
(^oo^) 会議 formal
meeting には,形式的,表面的というニュアンスはありません.正式な会議,公式的な会議です.念のため.
formal | 形式的な,定式的な | ||
formalize | 形式化する,定式化する | ||
formal specification | 形式仕様 | ||
formal approach | 定式的な/形式的な 方法/アプローチ/取り組み | ||
formal language | |||
formal method | 定式的な/形式的な方法 | ||
formal proof | 形式的証明 | ||
formal document | 「正式な文書」 | ||
formal meeting | |||
informal commnication | |||