for which
2017年6月1日
再び: 前置詞+関係代名詞 “preposition”
+ “relative pronoun” の稿で述べたように,英語の論文を読んでいると,前置詞+関係代名詞 が訳しにくそうな場面に出くわします.
whichはsystemを受ける関係代名詞で,forは,estimationの対象で,後ろの節を構成する文にとっては,for whichは,副詞句ですが,前の先行詞にとっては,for which以降は,systemを修飾する形容詞節です.意味は,「System Phiは,開発コストが30millionドルと見積もられるシステムである」です.この日本語では,for (に対して,のために)を訳しているように見えませんが,これで十分です.
(2) System Phi is a safety-critical system for which there are many types of users.
「System Phiは,多くのタイプのユーザが存在する safety-critical system である」です.これも,この日本語では,for (に対して,のために)を訳しているように見えませんが,これで十分です.
(3) System Phi is a system for which reliability is a critical requirement.
「System Phiは,reliability が重要な要件となるsystem である」です.
(4) System Phi must be acceptable to the type of users for which it is designed.
これは,言葉を少し補わなければ日本語らしくなりません.「System Phiは,設計されたユーザに受理されなければならない.」では通じません.「System Phiは,それが設計されるための対象となっているユーザに受理されなければならない.」でしょう.従属節のitは,主節のSystem Phiを指しているので,訳しにくいのでしょう.