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再び:  application: アプリケーション
  再び: application: アプリケーション

 

 

再び:  application: アプリケーション

                                                                                      上智大学 伊藤 潔

                                                                                            2013年1月21日

 2005年9月20日のapplication: アプリケーション の項でも述べましたが,再度,この言葉の持つ意味合いについて述べます.最近はスマートフォン(スマフォ,スマホ?)のアプリという言い方が普通になって,アプリ,アプリとよく聞こえてきます.

 

 application:アプリケーションという言葉の意味合いは,あまり正しく理解されていないと思われます.もともとは,「適用,応用」という意味ですが,コンピュータの世界では,ある分野の仕事や業務を遂行するプログラムやシステムを示すことが多いのです.

 

 執筆を一部担当したSPED TERRA(スペッドテラプロフェッショナル英和辞典,堀内 克明編者代表,小学館ISBN4-09-506711-X,2004.7)にも記しましたが,

 application program, application software, application system, application
(アプリケーションプログラム,アプリケーションソフトウェア,アプリケーションシステム,単に,アプリケーション)は,規模の違いはあるかもしれませんが,ほぼ同義です.全て,"apply a computer to a specific domain or activity"
,すなわち,「ある分野やある作業にコンピュータを適用する」ために開発されたプログラム,ソフトウェア,システムのことです.

 

 Wikipediaによると,”Application software, also known as an application or an app, is computer software designed to help the user to perform specific tasks. ”とあります.

 

 私は,applyという言葉の使用を意識して.Application software is computer software designed to apply a computer to specific domain or activity. と定義します.

 

 このcomputerの部分をsmartphoneにすれば,最近のスマートフォンのいわゆるアプリ,スマートフォンにインストールできる様々なプログラムです.

 

application program, application software, application system, applicationの訳は,そのまま,アプリケーションプログラム,あるいは,特定用途プログラム,業務プログラム,適用業務プログラム,応用プログラム (プログラムの代わりに,ソフトウェア,システム)など,いろいろあります.「応用」という言葉で間違った解釈がされてしまうこともあります.数学の応用問題のような「応用」ではありません.業務,用途,分野に「適用」するという感覚です.

 

 上で述べたように,アプリケーションの後ろに,プログラム,ソフトウェア,システムなどが付いたりします.コンピュータはプログラムがあって初めて仕事をする(stored program”と”プログラム内蔵方式”参照:)のですから,言葉として後ろにそれらの何が付いていても,仕組みは同じで,分野や慣習によって,どれかを使っています.アプリケーションシステムというと,規模が大きい感じはします.


 
単に,アプリケーションと言っているときは注意が必要です.普通には,業務ですが,それを遂行,支援するプログラムやシステムのことを言うことが多いです.また,日本では,アプリケーションソフトといっているときは,文書処理プログラムや表計算プログラムを指すことが多いようです.

 

 Wikipediaの定義にあるように,application の約めたものは,アプリではなく,appですね.