utilization rate: 稼働率, use rate: 使用率,
occupation rate: 占有率
上智大学 伊藤 潔
2006年3月15日
utilization rate「稼働率」, use rate「使用率」,occupation
rate「占有率」について述べます.
utilization rate「稼働率」は,単にutilizationともいいます.CPUを例に挙げます.CPU
utilization rate 「CPU稼働率」は,システムが運転している時間の間に,CPUが
稼働している,言い換えれば,CPUがプログラムを実行している時間がどのくらいであるかを示すものです.
すなわち,
@ CPU稼働率 = CPU稼働時間の総和/システム運転時間 です.
この割合,CPU稼働率が高い時,CPUはbusy 「ビジー」な状態で稼働していることが多いです.低い時は,CPUはidle 「アイドル」な
(何も実行していない)状態が多く暇であることです.
定義から,稼働率は,1を超えることはありません.稼働率1に近くなると, このCPUの使用を要求するタスクは長い時間待たされる
ことになります.すなわち,タスクのwaiting
time「待ち時間」やqueue
length「待ち行列長」が大きくなります.その結果,それらのタスクに仕事を依頼しているトランザクションやセッションも長く待たされるようになり,トランザクションやセッションのresponse
time「応答時間」が悪化します.
稼働率が実行の主体となるものの実行の時間割合を示すことに対して,use
rate「使用率」は,対象となるものが使用される時間の,システムの運転時間に対する割合です.すなわち,
A 使用率 = 使用時間の総和/システム運転時間 です.
稼働率と使用率を用語として使い分けていない場合もあります.
occupation rate「占有率」は,収容可能な上限,すなわち,容量をもつものについて,その容量に対する,時々刻々と変化する使用量の時間的な平均
です.すなわち,
B 占有率 = (使用量の時間的な総和(累積のこと)/システム運転時間 )/容量
ここで,
C 平均使用量 = (使用量の時間的な総和(累積のこと)/システム運転時間 )で,
D 占有率 = 平均使用量 / 容量 とも書けます.
占有率が1に近ければ,容量のほとんどが常に使われていることを示します.小さければ,余り使われていないことを示します.
Aの使用率は,Bの,容量が1である場合の占有率,あるいは,容量を意識しないで使われているかどうかだけを示す場合の占有率
になります.
utilizationは,CPUだけでありません.storage utilization 「記憶装置の利用度合
」, resource utilization
「資源の利用度合」など,また,日常の受付窓口などの稼働率もあります.