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ことのはの散策

 

perspective: パースペクティブ


                                                                                      上智大学 伊藤 潔

                                                                                            2005年9月29日

 

 英語の論文を読んでいて,perspectiveは,扱いがとても難しい単語です.英和辞書には,「観点,見地,視野,視点,透視図,展望」などが和訳としてありますが,「事物を見るときの立場」という意味を前提として,「その立場から見える事物」という感覚があります.

  “study data format from a academic affair management perspective”
は,「学事管理の観点からデータ形式を検討する」という意味になります.

 “current perspectives on AI researches”は,“current perspective of”でも構わないと思いますが,直訳は,「AI研究における現在の観点,見地」です.ただ,実際的には,「視野」が近く,「AI研究の現在の概観(見えるもの,サーベイ,レビュー)」という意味で,ピタリと来ます.「観点と概観は違うだろう」と言われても,こんなタイトルの文章の中味を見ると,観点が抽象的に書いてあるだけでなく,具体的なものが,“いくつかの観点で整理されて”,レビューされていることが多いのです.

 論文やプレゼン(プレゼンテーション)の結論あたりに,(current )perspectives and further issues on XXなどと書くと,かなりかっこいいです.
 但し,使うときはためらうでしょうね.決断がつかなければ,perspectivesの代わりに,reviewsでもsurveysでもいいですね. (^oo^)

 perspectiveに「展望」という訳もあります.展望は「これからの見通し」という意味が付いてくるので,この日本語だと,perspectiveの感覚から少しずつはずれてくるきらいがあります.

 「現在の展望」では,「これからの課題を述べる」みたいな感じになってしまいます.
(^oo^)