most, least: 最も大きく(な)/多く,最も小さく(な)/少なく
上智大学 伊藤 潔
2006年1月22日
most「最も大きく(な),最も多く」とleast「最も小さく(な)
,最も少なく」の使い方を見ます.
計算機内部のワードの左端ビットをMSB (Most Significant
Bit)「最上位ビット」,右端ビットをLSB (Least Significant
Bit)「最下位ビット」と呼びます.数字で,MSD (Most Significant
Digit)「最上位桁」,LSD (Least Significant
Digit)「最下位桁」と呼びます.なぜ,MSD (Most
Significant Digit)というのかは,数を表す際に上の桁は,数の大きさを最も顕著に表すという感覚です.LSD
(Least Significant
Digit)は,数の大きさをあまり顕著には表さないという感覚です.MSB,LSBもワードが固定小数点数を表すなら,同様なことが言えます.浮動小数点数や文字が入っていたら,significantとは言えませんが,最上位
と最下位のビットの名称として,とLSBです.
Most Used
「最もよく使われている」や,Least Used
「最も使われていない,ほとんど使われていない」は,よく使われます.
ある分野の文献群で,用語の使用頻度の統計をとったとします.一番よく使われている専門用語は,most-used
technical termといいます.あるいは,Most Commonly Used
「最もよく共通に使われている」といったり,Least Commonly Used
「最も共通に使われていない,ほとんど共通に使われていない」というのもあります.
主記憶上でのページの再配置(reallocation, relocation)の際に,これから実行しなければならない別のページを持ってくるために,どのページを追い出すかを決めるページングアルゴリズムが採用する方策の中に,あるいは,キャッシュメモリのどのセルを追い出すかを決めるアルゴリズムが採用する方策の中に,Least Usedがあります.
対象となるものが,使われている頻度(frequency)によって,MFU (Most Frequently Used)
「最も頻繁に使われている」や,LFU (Least Frequently Used) 「ほとんど使われていない」があります.また,最近使われた時期の近さ(recentness)によって,MRU (Most Recently Used)「最も最近使われている」や,LRU (Least Recently Used)「ほとんど最近使われていない」があります.アルゴリズムの採用する方策には,LFUやLRUがあります.
most | 最も大きく(な),最も多く | ||
least | 最も小さく(な) ,最も少なく | ||
MSB (Most Significant Bit) | 最上位ビット | ||
LSB (Least Significant Bit) | 最下位ビット | ||
MSD (Most Significant Digit) | 最上位桁 | ||
LSD (Least Significant Digit) | 最下位桁 | ||
Most Used | 最もよく使われている | ||
Least Used | 最も使われていない,ほとんど使われていない | ||
MFU (Most Frequently Used) | 最も頻繁に使われている | ||
LFU (Least Frequently Used) | ほとんど使われていない | ||
MRU (Most Recently Used) | 最も最近使われている | ||
LRU (Least Recently Used) | ほとんど最近使われていない | ||
Most Commonly Used | 最もよく共通に使われている | ||
Least Commonly Used | 最も共通に使われていない,ほとんど共通に使われていない | ||
relocation) | 再配置 |