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開示; disclose は,日常では,使い方が難しい  

ことのはの散策

開示; disclose は,日常では,使い方が難しい

上智大学 伊藤 潔

 2005年8月29日  

 よく,「開示」という言葉を聞きます.これは,あまり,気楽に使える言葉ではありません.

 

 

 日本語の「開示」は,もともと仏教用語から来ているようです.「開示悟入」で,これは,教えにより悟らせて,仏の道に入らせること,という仏教用語です.(広辞苑など参照)

 

「開示」には,本来,普通の「知らせる」,という意味以上に,「教え諭す」の意味もあります.

 

官公庁が情報公開する時に,「開示」が,よく使われるようになりました.前からある使い方に,「拘置理由開示請求」というのがありますね.このような法律用語以外にも,情報公開の意味で,官公庁で,「開示」をよく使っていますね.目に見える形ではっきり示す,文書を開示する,という使い方です.たとえば,「入学試験の成績開示希望者に成績通知書を送付」というのも見ますね.

 

英語では,discloseで,隠していたもの,隠されていたもの,あるいは,いままで見せていなかったものを,目に見えるようにする,明示する,という意味です.これを初めて訳したとき,「開示」を充てたのでしょうかね?

 

公的組織ではなく,私たちが,単に,ウェブなどにいろいろ情報を載せることや,抽選の結果を公表すること等々に,「開示」を使うのは,かなり疑問符がつきます.もったいぶった感じで,時には,なんかエラそうです.こんな場合,単に「公開」や「公表」,あるいは,「お知らせ」で十分です.

 

ここまでは正調.

 

日常で,初めて,聞き慣れない,「カイジ」を耳で聞いたとき, JR特急の「かいじ」(甲斐路)かと思った.(^oo^)