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ことのはの散策

 

フェイルセイフ:fail-safe, failure to safety


                                                                                      上智大学 伊藤 潔

                                                                                            2005年10月2日

 

 辞書を参照すると,fail-safeは,動詞,名詞,形容詞で使われます.少し字句を補うと,意味的に”fail to safety”ということです.”fail in safety”ではありません.これだと,「安全になることに失敗する」ということになってしまいます.

 fail, failureの“故障”と,safetyの“安全”の対比が重要です.

 ”fail to safety”,あるいは,”failure to safety”は,直訳すると,「安全の方向で(安全側で)故障する」,あるいは超訳すると,「安全に故障する」ということになりますが,「機械,システム,コンピュータが故障するときに,人間や社会にとって安全な状態で故障するように設計し,そのような機構や仕掛けにしておくこと」で,「そのような機構や仕掛けが作動すること」を意味します.もし,故障したときに,人や社会に危害や損害を与えてしまうと大変なことです.

 産業用ロボットが故障して停止したときに,グリップが物をつかむ方向に進んでしまうと,人を挟んだり,脱出できなくなったり,危険です.フェイルセイフは,例えば,そのようなとき, グリップを開放(解放)する方向で,故障停止する機構を作っておくことです.状況や物によりますが,開放すると飛散してもっと危ないこともあります.そのようなときは,より安全なフェイルセイフの機構や仕掛けを作っておく必要があります.