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evaluation(評価)は,2種類 

ことのはの散策

 

evaluation(評価)は,2種類

                                                                                      上智大学 伊藤 潔

                                                                                            2005年10月4日

 evaluateという言葉には,valueという言葉が見えます.valueというのは,「値とか価値」ですから,evaluateは,「値や価値を求める,決める」ということであり,「式を計算してその値を求める」というレベルの使い方から,「価値を求める,決める,すなわち,評価する」というレベルまで,広く使われます. この名詞は,evaluationです.アメリカ英語では同義でvaluate, valuationもあります.

 時系列上のいろいろな段階で,この言葉は使われます.

 system evaluationは「システムの評価」と訳されますが,この訳は,何となく,できあがっているシステムを,いいか悪いか評価する,というニュアンスが感じられます.訳語としては,これに代わる,もっといいものはなかなかないのですが,「価値を求める,決める」というのは,別にできあがったもので,調べるだけのものではないのです.作っている最中でも,設計中でも,「どんなものができるのだろうか」と言う観点で「その価値を求める」ことも,evaluateなのです.

 evaluationには,pre-evaluation(事前評価)とpost-evaluation(事後評価)があります.pre-evaluationは,ものやシステムができる前,分析時,設計時に行うプロセス で,estimation (見積もり,予測)とも呼ばれます .post-evaluationは,ものやシステムができた後に行うプロセス です.この2種類があることを,正しく認識すべきです.

 ちなみに,私が1980年に書いた学位論文の題名は,”A Study on Systems for Functional Verification and Performance Evaluation in Software Design”ですが,このタイトルの示す通り,システムが出来上がる前の設計段階での性能評価について 述べています.