parameter and argument: パラメータと引数
上智大学 伊藤
潔
2009年6月11日
情報の分野では,parameter「パラメータ」は,システムやソフトウェアとの動作を規定する代替設定値(alternatives)のことを示す場合と,サブルーチン,関数,手続きなどを呼び出しに必要なargument「引数(“ひきすう”と読む)」を示す場合があります.
前者は,ウェブブラウザの設定オプションにある,例えば,セキュリティレベルを選択したりするものや,ワープロソフトの設定オプションにある,例えば,文書校正するかしないかを選択したりするものなど,様々あります.パッケージ化されて,ある分野である程度汎用化されているソフトウェアなら,例えば,同時にアクセスするクライアントの数がパラメータになり,それに応じて,クライアントの情報を格納する記憶領域が確保されます.
argument「引数」としてのparameterは,例えば,組込関数sin(x)のxです.このように,xとして引数を一般的に定義しているとき,formal
parameter, formal argument「形式パラメータ,仮引数」と呼びます.これは,必要なパラメータに仮の名前をつけたものです.実際に使うときは,sin(π/2)というように,xではなく,sinを計算したい値を,actual
parameter, actual argument「実パラメータ,実引数」として与えます.これは,仮引数に値を与えたものです.
以上は,組込関数ばかりでなく,サブルーチン,関数,手続きでも同様で,ユーザがそれらを定義するとき,形式パラメータ,仮引数を使って記述します.
代替設定値と引数とを分けて説明しましたが,マクロ的に見れば,同じことです.いずれも,ユーザの側から見れば設定値で,ソフトウェアの側から見れば引数です.
parameter | パラメータ | ||
alternatives | 代替設定値 | ||
argument | 引数(“ひきすう”と読む) | ||
formal parameter | 形式パラメータ | ||
formal argument | 仮引数 | ||
actual parameter | 実パラメータ | ||
actual argument | 実引数 | ||