情報システム工学は実学指向
上智大学 理工学部
機械工学科 情報システム講座
伊藤 潔
1995年3月15日
私の専門とする情報システム工学では,計算機を使ったシステム化の方法を研究します.その際に,常に念頭に置いていることは,実際から遊離しないこと,実際から離れていてもその距離を認識できることです.研究に使う方法やツールは,あくまでも,その適用条件をよく知り検討した上で使うことが重要です.
この念頭に置いていることを実現する上でも,また,大学での研究はともすれば独善的に陥ってしまうことがありこれを避けるためにも,大学の外との連携を重要なものと考えています.企業の研究者と共同研究を進めること,複数の企業や大学の研究開発者の方々と,学会の中にプロジェクトを作って共同研究を進めることを行っています. あえて当然なことをいいますが,それらの学外の研究開発者の方々との共同研究やプロジェクトで再認識したこととして,システム開発の研究にとって,その解法のalternativesとして,ソフトウェア,人間の作業,数学,数理モデルなど様々なものがあることです.この認識が,研究が実際から遊離しないこと,実際から離れていてもその距離を認識できるための重要な鍵です.